【召喚連載】メガテン大司教・鈴木一也の邪教の館 / 第3回 アンドラス 召喚「戦争と平和を語る」


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ゲームクリエイター鈴木一也氏といえば、代表作として「女神転生」シリーズや「真・女神転生」シリーズ、そして「モンスターメーカー」シリーズなどの名作を世に送り出した偉大な人物だ。このコーナー「メガテン大司教・鈴木一也の邪教の館」は、そんな鈴木一也が、悪魔の大司教として悪魔や天使を召還し、あらゆる事象に対して言及する前代未聞の場である。

ちなみに鈴木一也氏は、「女神転生」から始まったゲームシリーズの世界観やシステム、そしてあの名言「コンゴトモヨロシク」を創り出した人物であり、ゲーム業界やファンにおいてカリスマ的存在でもある。

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・新悪魔召喚!
鈴木大司教「我は汝を召喚す、生まれ無き者よ! ……アオス! アバオス! バスム! イサク! サバオス! イアオ! 汝、迅く来たりて我が前に従え! ソロモン王に封じられし63番目の古の魔神! 戦(いくさ)呼ぶ不和の大侯爵アンドラスよ!」
アンドラス「ガガガガ……我を召喚するとワァ! この命知らずめガァ! 名乗るが良い」
鈴木大司教「我が名は鈴木一也。英智を求め、汝をここに留めおく」
アンドラス「ならば贄だ!!」

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鈴木大司教「鶏もも肉のグリル、ディアブロ風を用意した(悪魔だけに……)。堪能するがよい」
アンドラス「グワァッ!! 我がそんなもので、承知すると思うガァ!!」
鈴木大司教「まあそう言わず、まずは賞味せよ地獄の大侯爵よ」
アンドラス「ガハァ~! 無理に呼び出され腹も減った。とりあえず食ってやろう。ガガガガァ……これはぁ! 外はカリリと香ばしく、内は汁気滴る豊穣……マスタードの酸味と辛味が肉の旨味を引き立てて……ガァ!! 旨し! 旨しぃ! 良かろう……ならば戦争だ!!」

鈴木大司教「いやいやいや、戦争の前に平和を乞うには!?」
アンドラス「ガァアア!? 不和の侯爵たる我を呼び出して戦争でなく平和だと?」
鈴木大司教「戦争の魔神ゆえ、逆に平和を良く知る者とみたのだが?」
アンドラス「その通りだガアアア~! 平和を知り、その危うさを突くのが我輩の力だガアアア!」
鈴木大司教「トランプ大統領と金総書記が会談をした。表向きは派手な美辞麗句で飾り立てたが、例によって中身の無い空手形を打つだけだった。核ミサイルの脅威はいつ無くなるのか、そして平和条約は……」
アンドラス「ガァハ!! 平和条約ガァ!? まだあそこは戦争状態だったガァ~。では、そもそも朝鮮戦争がなぁぜ起きたのガァ?」 
鈴木大司教「第二次大戦後の世界秩序の再構築の流れだ。それは共産主義による世界支配が目的で、その第一歩ではなかったのか?」
アンドラス「ガガガガガ! 甘いぞ大司教とやら」
鈴木大司教「む……」
アンドラス「ことの起こりは李承晩、当時の韓国大統領ガァ、日本を侵略しようとしたことに始まるガァ!!!」
鈴木大司教「なん……だと!?」

・朝鮮戦争の原因
アンドラス「李承晩はアメリカ軍から武器をもらい、急造の軍を組織した。そこで日本を侵略しようと部隊を朝鮮半島の南に集めたのガァ!! 平和憲法とやらもまるで意味なしだガァハハハハハ~~!! 日本には軍隊が無かったから、幾らでも攻め放題だガァ~~!!」
鈴木大司教「なんと、それは本当なのか?」
アンドラス「本当だガァ! 大統領の座について3日後の1948年8月18日にだな、日本に対馬の返還を要求したガァ!! そして、更に翌年1月8日の年頭記者会見でも再び宣言してるのダガアアアア!!」
鈴木大司教「返還! 対馬は日本の領土なのに!? そういえば対馬はかつて元寇のときも略奪され、モンゴルと朝鮮の連合軍に口にできぬようなひどい目に遭っている」
アンドラス「しかもダァ! 朝鮮戦争中の1951年7月19日にもアメリカに対して竹島と現在も存在が確認されていない架空の島”波浪島”を要求する書簡を送っているぅ。李承晩はとんでもない野心家だったのだガァ! 存在しない島までよこせというのだガラナアァぁ~~」

鈴木大司教「しかし、そんなことはアメリカが許さないはず」
アンドラス「竹島を含んだ李承晩ラインという国境線を勝手に引いた奴だガアァ! もちろんアメリカもそんなもの認めない! だガァしかし~、占領の既成事実を作ればイイイ~~! すでに竹島占領で実証済みだったガラな!! 最低でも対馬、あわよくば九州まで手に入れるつもりだったガァ~~!!」
鈴木大司教「だが、日本侵略は実現されなかった……」
アンドラス「ガアハハハ!! 手薄になった南北国境線を北朝鮮のT-34が突破してきたガラな!! あの進撃は凄まじかったガァアアア!!」
鈴木大司教「まさかアンドラス、汝が情報を伝えて火種を……?」
アンドラス「ガァ!? 我はちょつと背を押してやっただけよ!! ロシアも中国も朝鮮半島での戦争準備をしていたガラなぁ!! 気持ちよく火が付いたガアアア!!」
鈴木大司教「あの戦争は悲惨であった。多くの内戦は市民を巻き添えにして多数の死傷者を出すが、朝鮮戦争はことさらに酷かった。あの小さな半島の三年間の戦争で、第二次世界大戦で使われたものに倍する火薬が消費されたのだ……両軍の兵士は80万人以上が死亡し、市民の犠牲は……」
アンドラス「一般人の死者数は大戦時の日本を軽~く飛び超え、国内に攻め込まれたあのドイツまでも追い抜いたガァ~~?」
鈴木大司教「そう、犠牲者は300万人を超えたともされる……半島全体が戦場になったのだが、あまりに悲惨。死だけではなく、あらゆるインフラは破壊され、家々は焼かれ、女たちは犯され……」

アンドラス「人の子らの何と愚ガァアアナアアアア!! 今再び戦争が起きれば、さらに恐ろしい破壊と殺戮が繰り返されるグアガガガガガ!!」
鈴木大司教「ソウルは瞬時に火の海となり、徹底的な報復がすぐさま平壌でも起きる……」
アンドラス「ダガアアア~~残念なことにそうはならぬガナアァ~!!」
鈴木大司教「戦争は起きないと?」
アンドラス「誰もやりたがっていない戦争は起きようが無いガァア~」
鈴木大司教「アメリカにとっても益が無いということか」

・中東の戦争は?
鈴木大司教「ではリビアやイラクではなぜ戦争が?」
アンドラス「リビアのカダフィやイラクのフセインは、やり過ぎたガァ! ディナールをアラブの基軸通貨にして、ドルと対抗しようとしたガァ。反米産油国がディナール通貨の元に結集し、石油メジャーとドル支配に対して戦いを挑んで~~、そして破れたガァハハハ!」
鈴木大司教「そしてイラクの敗残兵たちがアルカイダに流れ、リビアの者たちがイスイス団を作ったのだったな」
アンドラス「善きガナァ! 善きガナァ~! 戦火拡大ガァ!!」
鈴木大司教「アメリカは中東でロクなことをしていない」
アンドラス「イスラム原理主義も、アメリカCIAが反政府組織のリーダーに持ち上げた男によって広められタア~」

鈴木大司教「日本に逃れたわしの友人が嘆いておった。イスラム社会が培ってきた伝統を破壊して時代に逆行し、対立と争乱を招いたと……まさか、アンドラス?」
アンドラス「心地よき不和と戦争ガァー! アルカイダを生み、イスラム・ステートを作ったガァガァ!」
鈴木大司教「いや、汝はきっかけを作ったに過ぎぬのだな……アメリカは中東での混乱を望み、その団結を常に阻んできたということか」
アンドラス「お前も判ってきたガァ~!? それガ~石油メジャーの利益! イスラエルの国益!! ダガァシカシ! 朝鮮半島はアメリカの利益につながらぬワ」
鈴木大司教「ならば北の核兵器、生物兵器廃棄があるのか?」
アンドラス「否!」
鈴木大司教「北朝鮮はまたも廃棄するフリをするということか?」
アンドラス「トランプは中間選挙までに速効性のある評価を手にしたいガァ。北は毎度の手口だガアアア」

・これからの半島とやきとり
鈴木大司教「半島の統一はあるのか?」
アンドラス「誰がそれを望む? 支配者どもは誰も得をしないガァ」
鈴木大司教「経済制裁は続き、金王朝も危うくなるのでは?」
アンドラス「習近平が支えるガァ。北朝鮮はさらに中国の支配下に組み込まれ、暴走できなくなるワ」
鈴木大司教「日米中にとっては、そこが狙いか。では拉致被害者の帰還もあり得るのだな?」
アンドラス「アリ得よう。トランプをここまで北朝鮮に向けさせたは、何と言っても安倍晋三の外交力だガァ! 褒美くらいは用意しているのではないガァ?」
鈴木大司教「日本が蚊帳の外とか騒いでいた者どもは、まるで現実を見ていなかったな」

アンドラス「しかしだガァ、習近平は日本が強力なる北朝鮮の支援国になるのを望まぬ! そして気をつけよ! 今極東に3隻いる空母に、さらにもう1隻が現れた時ガァ、トランプが本気で北朝鮮を撃つ覚悟をしたと思うが良いガァ!! それは正恩の核がイランに渡る前に起きよう!!」
鈴木大司教「忠告痛み入る。では、今日はここまでとしよう。今や汝を地上に留めし束縛は解かれし、疾く去られよ! イェーヘイシュアの御名において、解放せん!」
アンドラス「ガアアアアアア!! また我を呼んで馳走するがよい!!」
鈴木大司教「望みはあるか?」
アンドラス「焼き鳥と称して豚の臓物を贄とする何ガァ……我はそれに興味ガァァ……」
鈴木大司教「強欲なる魔神アンドラスよ、心得た! ……しかし、そんなすきま情報をどこから?」

悪魔: アンドラス(Andras)。古代ユダヤのソロモン王に封じられたという72柱の悪魔のうち63番目の1柱。不和の侯爵として知られる。地獄では悪魔の30の軍団を率いる大侯爵である。フクロウかカラスのような凶相の鳥の頭部を持ち、鞘走れば燃え上がる鋭利な剣を携え、巨大な黒狼に騎乗する堕天使の姿で現れる。争いと不調和を人々の間にもたらす権能を持つ。その本質は残虐で暴力的とされる。召喚者の敵を仲間割れで自滅させる。しかし召喚者自身が不適格ならば、その能力を使って召喚者とその仲間を引き裂き、殺し合わせるという。『真・女神転生 ―東京黙示録―』では、吉祥寺ライブハウス、ゴールデンエレファントで行われたサバトに於いて、小林章人によりロックギタリストの肉体を触媒にして召喚される。

筆者: 鈴木一也(すずきかずなり)。1960年11月1日東京生まれ。ゲームクリエイター。代表作『女神転生』『女神転生Ⅱ』『真・女神転生』『モンスターメーカー』シリーズ。『偽典女神転生』『新世黙示録TRPG』『ジェットインパルス』『つきびと』など多数。デジタルデヴィル(株)代表。専門学校TECH.C.にて講師も務める。父にアナログゲームのクリエイターである鈴木銀一郎がいる。

もっと詳しく読む: メガテン大司教・鈴木一也の邪教の館 / 第3回 アンドラス 召喚「戦争と平和を語る」(バズプラス Buzz Plus) http://buzz-plus.com/article/2018/06/27/megaten-suzuki-andras/

イラスト: 闇雲大佐

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