【召喚連載】メガテン大司教鈴木一也の邪教の館 第9回「ピンチだ! 北の金王朝」


09

・不和の侯爵★アンドラス召喚!!!
鈴木大司教「我は汝を召喚す、生まれ無き者よ! ……アオス! アバオス! バスム! イサク! サバオス! イアオ! 汝、迅く来たりて我が前に従え! ソロモン王に封じられし不和の侯爵、魔神アンドラスよ!」

アンドラス「グガガガガガァ!!!!! 我にナニ用だぁ大司教!!」

大司教「戦のキナ臭い気配を感じぬか、アンドラスよ」

アンドラス「ガァ~……半島か……我に火を付けて来いというのか?」

大司教「うむ、ではサクッと………ではないぞ! その情勢を見極めてほしいのだ」

アンドラス「では贄だ」

09-1

大司教「うむ、今夜は大司教ハンバーグだ。牛と豚の合い挽きひき肉に玉ねぎ、生パン粉、鶏卵にアンデスの赤塩を適量、スパイスはブラックペッパー、クローブ、クミン、コリアンダーを効かせ、パプリカをたっぷり。赤ワイン多めと牛乳少々……これをヘラで良く練り練り……ダッチオーブン同様の機能を持った鉄の分厚いフライパンでじっくり焼き上げ、途中でエリンギを一緒に焼き、表面をカリッとさせ、仕上げにチーズをトロトロにして、最後に青々としたアボカドを乗せて完成じゃ!!」

アンドラス「長かったガアァ」

大司教「それだけ手間暇をかけた。賞味せよ、不和の侯爵よ」

アンドラス「ガァァ……滴る肉汁ぅう……スパイスィーー」

大司教「さてアンドラスよ、半島の緊迫をいかに思う?」

アンドラス「チーズも香ばしく焦げておるガァ……アボカドがしっとりとまた良くアウガァ……」

大司教「そ、そうか……それは良かった」

アンドラス「エリンギというのガァ、肉汁を良く吸って、味に奥深さを出しているぅぅぅう……」

大司教「堪能してくれたようだの……」

アンドラス「そしてまた肉に戻るガァ~~~!!!」

大司教「いつまで食っているのだ!」

アンドラス「ングッ!! 怒鳴るから、せっかくの最後の肉を味合わずに飲み込んでしまったガァ~~! どうしてくれるんだガァ~~!」

大司教「またこんど召喚された時を楽しみにするが良い!」

アンドラス「ガ嗚呼ァァ~~~謝罪と賠償を要求するだガァ~~!!」

・あの蜜月っぽいのは何だったのか?
アンドラス「ダガシカシ!! つまらん! 戦争は起きないガァ!!」

大司教「そうなのか? しかしベトナム会談では米朝は決裂したぞ?」

アンドラス「ガガガガ……間に入った奴がぶち壊したァッ! そやつは善人ヅラをしてこう言ったァ。
金正恩(キムジョンウン)にはアメリカはもう大丈夫、制裁解除の要求を飲んでくれると保証し、トランプには自分が北を説得したから、ここは強く出ても大丈夫と具申したコウモリ野郎だァ!」

大司教「しかし会ってみたら、話が噛み合わなかったということか!? そのコウモリの役回りができたのは……あいつか、トラのくせにコウモリか」

アンドラス「そうだァ、文在寅(ムンジェンイン)大統領ダァ!」

大司教「二国はまんまと騙されたというわけだな。その場で調整できなかったのか?」

アンドラス「お互い要求を口に出したあとは譲らぬ。相手が譲歩するのだろうと期待してたァ!」

大司教「なるほど、それで北朝鮮は韓国との外交窓口を通達無しで閉鎖したのか! かなり怒っていたわけだ」

アンドラス「トランプも文を信頼できない相手と認定したァ!」

大司教「しかし、韓国にとってそれは大きな痛手じゃないのか?」

アンドラス「韓国にとっては痛手だが、文にとっては計画どおりダァ!!!」

大司教「それは……どういうわけだ?」

・異常な反日に暴走する問題児
大司教「文在寅は、学生の頃の仇名を問題児といったそうだ。文在寅と問題児は韓国語では両方ムンジェンインと発音するからだそうだが、それはもともとどうやって区別するのだ?」

アンドラス「カァーッハハハハッ!! 我も知らぬガァ!」

大司教「魔神でもなんでも知っているわけではないな。さて、その問題児が日本に対する敵対行動を強めている。これはどういったことだ? 日本は毅然とした態度で制裁を加えるべきではないのか?」

アンドラス「それこそが文在寅の狙いガァアァ」

大司教「何? それはどういうことだ?」

アンドラス「もし、日本が強く反応したら、国民に向けてこうアピールするガロウ! 日本は自らの罪も認めず、反省もせず、こんな制裁を突きつけて来た恩知らずな奴等だとなァ!」

大司教「ちょっと待て、文の主張はまるで整合性がとれてなくないか?」

アンドラス「韓国内の世論を動かせればいいガァ!! 国民を本気で反日にシフトさせ、中国ベッタリにするのが目的ガァ! 反日煽れば支持率も上がって一石二鳥!!」

大司教「そんなことをしたらトランプが黙っていないだろう?」

アンドラス「それも予定通り! そうなれば今度は反米を鮮明にし、韓国は完全に中国の配下に入っていくガァ!」

大司教「韓国は経済的にも大きなダメージを受けるではないか。国民が納得しないだろう」

アンドラス「だから、少しずつ繰り返し繰り返しやっているガァ!! 国民を上手く扇動しないと、国民の声に押されて軍がクーデター起こしやすくなるカァら、文もあれで慎重ガガァ……実はすでに軍はカナ~リ切れる寸前だガァ!!! 我がひとつ背を押してやれば……」

大司教「まあ止めておけ、と言いたくないわしがおる」

アンドラス「ガァハハハハハ!」

大司教「しかし、そんなことをしていったい何をしたいのだ? 一帯一路の恩恵にでも与ろうというのか?」

アンドラス「いいや、問題児の目的はただひとつ。中国共産党主導による朝鮮統一ガアアア!!!」

大司教「何ぃ?! どういうことだ? それは北朝鮮を優先した統一ということにならぬか? 韓国民は納得しないのではないか?」

アンドラス「そのために、韓国メディアは北寄りの報道を繰り返し、国民感情を北に同情的に作り上げてきたガァ! 韓国民の多くは北朝鮮より日本を敵だと思っている間抜けな奴らダガァ!」

大司教「韓国民も反日キャンペーンに踊らされているということか……愚かなり」

・金王朝の血脈
大司教「ベトナムでの会談では、トランプ大統領は新たなカードまで事前に手に入れて余裕の表情だったな」

アンドラス「マレーシアで暗殺された金正男(キムジョンナム)の息子漢率(ハンソル)だなアア!」

大司教「どうやら漢率はCIAが保護しているらしい。彼が掲げた「自由朝鮮」というパワーワードは金正恩にとっても恐怖であろう」

アンドラス「金正恩はこれまで国内の親中派を片っ端から粛清してきたァ。処刑されたのは数百人単位に及ぶ。それは、実は金日成(キムイルソン)の遺志を継ぐことになるガァ!」

大司教「金日成とは初代キムだな。それはどういう意味だ?」

アンドラス「日成は死の直前、中国の干渉を断ち切り、解放路線をとって自由主義陣営に寝返ろうとしていたガァ!」

大司教「にわかには信じられない話だな」

アンドラス「奴は執務机に突っ伏して死んでいたが、その机にはアメリカと国交回復するのを国民に伝える原稿があったらしいガァ~~」

大司教「金日成は暗殺されたそうだな。まさか息子の正日(ジョンイル)に!?」

アンドラス「親中派に殺されたァのは間違いないガァ! 正日は親中派に担がれた御輿だガァ!」

大司教「思い出した。親の墓が済州島にあるという噂の小沢一郎だが、その関係者からちらと聞いたことがある。金正恩は、正日の息子ではなく、日成の息子だという話を。もしそれが本当だとすると……」

アンドラス「正恩は父親の仇を討ったことになるカァ! 正日も暗殺されたようだしナァ!! カァーカカカカカァッ!! 朝鮮王朝の歴史は陰謀と暗殺の歴史ガガァ!」

大司教「となると金正恩の親中派大粛清は、亡き父の遺志を継いで本当にアメリカ側に付こうという動きか。そうなると度重なる中国詣でも、忠誠を疑われた正恩が習近平に弁解しに行ったとも取れる。これはただの権力闘争ですとな。しかしなぜトランプ大統領はその金正恩を受け入れない?」

アンドラス「シンプルな話だガァ! トランプは金の完全屈服を目指しているガァ! アメリカが本気になれば北朝鮮など1週間で消えるガァ! 金はすでに詰んでいるガァ、虚勢を張っているだけガァ!!」

大司教「この間ロシアのプーチン大統領に助けを求めたが、あっさりとソデにされたしな。今更親中に路線を変えても、習近平に殺されそうだ」

アンドラス「そんな金正恩を助けているのが、他ならぬ文在寅ガァ!」

大司教「そうなのか?」

アンドラス「日韓の不仲を演出することで、アメリカも韓国を警戒し、断首作戦を実行しにくいダガァ!」

大司教「まさか文のくせにそこまで……?」

アンドラス「あやつはなかなかの曲者ダガァ!!」

・安倍外交の行方は?
アンドラス「金正恩が完全に屈服するまでトランプはやる気ダア!」

大司教「安倍首相が前提なしに金正恩と会うと言ったが……」

アンドラス「正恩はトランプに取りなして欲しくて安倍に急接近しているガァ、前提なしにというのは正恩の顔を立てることになり、恩を売ったことになるガァ!」

大司教「恩を恩とは感じない輩だがな。それでも拉致被害者が帰ってこれるといいのだが……」

アンドラス「そればカァりは、我にも分カァらぬわぁ! しかし北がアメリカに屈服する前のこのタイミングが、拉致被害者を取り戻す最大のチャンスダァ!」

大司教「なぜだ? トランプ大統領は日本のこの問題に同情している。アメリカに屈服した北朝鮮は、拉致被害者を差し出すことにならないのか?」

アンドラス「アメリカの庇護を受けた北朝鮮は、拉致被害者を返してもなんのメリットも無くなり、政権にダメージを与える余計なことはしないのダァ~!」

大司教「そんな馬鹿げた理由で……」

アンドラス「彼らにとっては、当たり前の理由ダァ!」

大司教「うううむ……。それにしても韓国は中国に、北朝鮮はアメリカへと接近するこの捻れが、今後とも複雑な半島情勢を形作るのは間違いなさそうだな」

悪魔:アンドラス(Andras)古代ユダヤのソロモン王に封じられたという72柱の悪魔のうち63番目の1柱。不和の侯爵として知られる。地獄では悪魔の30の軍団を率いる大侯爵である。フクロウかカラスのような凶相の鳥の頭部を持ち、鞘走れば燃え上がる鋭利な剣を携え、巨大な黒狼に騎乗する堕天使の姿で現れる。争いと不調和を人々の間にもたらす権能を持つ。その本質は残虐で暴力的とされる。召喚者の敵を仲間割れで自滅させる。しかし召喚者自身が不適格ならば、その能力を使って召喚者とその仲間を引き裂き、殺し合わせるという。『真・女神転生 ―東京黙示録―』では、吉祥寺ライブハウス、ゴールデンエレファントで行われたサバトに於いて、小林章人によりロックギタリストの肉体を触媒にして召喚される。

筆者:鈴木一也(すずきかずなり) 1960年11月1日東京生まれ。ゲームクリエイター。代表作『女神転生』『女神転生Ⅱ』『真・女神転生』『モンスターメーカー』シリーズ。『偽典女神転生』『新世黙示録TRPG』『ジェットインパルス』『つきびと』など多数。デジタルデヴィル(株)代表。専門学校TECH.C.にて講師も務める。父にアナログゲームのクリエイターである鈴木銀一郎がいる。

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もっと詳しく読む: メガテン大司教鈴木一也の邪教の館 第9回「ピンチだ! 北の金王朝」(バズプラス Buzz Plus) http://buzz-plus.com/article/2019/05/28/megaten-suzuki-kita/

イラスト: 闇雲大佐

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