【衝撃】15年かけてまだ10巻! 漫画『イエスタデイをうたって』がもうすぐ完結!

事件も何も起こらないのに凄く面白い!!


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刊行というか、連載ペースが遅いことも一部で有名になっているモラトリアム漫画の名作が、冬目景『イエスタデイをうたって』(集英社)である。昨年、10巻が刊行されたが、1巻が出たのは1999年だ。10巻刊行からそろそろ1年が経つが、11巻がいつ出るのかはまだわからない。

・イエスタデイ感が加速!!
急展開があったこともあり8巻までしか読んでおらず、ふと思い立って先ほど9巻を読了。これから10巻を読むが、さらにタイトルにもなっているビートルズのイエスタデイ感が加速していて切ない。

・ほぼ全員が大切な何かを喪失
イエスタデイは歌詞を読むとわかる通り、大切な何かを喪失した直後の歌である。『イエスタデイをうたって』の主要登場人物はほぼ全員が大切な何かを喪失している。だから、恋愛も進路もなかなか思うようにならない。

・それでも面白いすごい漫画
大きな事件は何も起こらないのだけど、それでも面白いというのはすごい漫画ではないだろうか。読み進めてから、タイトルの『イエスタデイをうたって』=Sing “YESTERDAY” for me. を見ると、なんとも言えない気分になる。

・次の連載掲載で完結
冬目作品ということで未完で終わらないか心配だが、数少ない、のんびり10年以上読み続けている漫画である。……と書いた数日後の4月15日、次の連載掲載で完結することが告知された。おそらく11巻が最終巻。発売を楽しみに待ちたい。

執筆: 鈴木収春(不明研究室) http://fumeiya.net/

もっと詳しく読む: バズプラスニュース Buzz+ https://buzz-plus.com/article/2015/05/17/yesterday/

鈴木収春

クラウドブックス株式会社代表取締役。自由大学「伝わる文章学」「出版道場」教授。東京作家大学講師。講談社客員編集者を経て、出版エージェントに。ドミニック・ローホー『シンプルリスト』、タニタ&細川モモ『タニタとつくる美人の習慣』、劔樹人『高校生のブルース』、高畑宗明『腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない』などを担当。