映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が駄作な6つの理由
駄作としか言いようがない作品
ハリウッド映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(以下 アベンジャーズ2)が日本でも公開され、連日大盛況のようす。どんなに駄作でも周囲を取り巻く関連作品が秀逸なので、大ヒットは確実だろう。
・駄作としか言いようがない作品
ただ、いくら観客動員数が多くても実際に観た人が「良い作品だった」と思うかどうかは別だ。そういう意味では駄作としか言いようがない作品に仕上がっている。駄作は言いすぎ? ならば不完全燃焼とも言うべきか。とにかく、マニアやコレクターでもブルーレイを買うのを躊躇してしまうデキなのは確かだ。
・現実を受け入れてほしい
これから書くことに対して、どうか怒らないでほしい。怒るという行為は、自分に耐性がなく稚拙な考えで生きていると世間に公表し、自傷しているようなものだ。冷静なふりをして皮肉や文句をつけるのもやめよう。実際は手足が震えて、腸が煮えくり返っている状態なのがバレバレだからだ。
以下、ふんだんにネタバレが盛り込まれた内容なので、まだ観ていない人は読まないほうがいい。まあ、ネタバレを読んだところで駄作は駄作のままなのだが。
・アベンジャーズ/エイジオブウルトロンが駄作な6つの理由
1. 山場がない
とにかく山場がない。ストーリーもスカスカなので、どうにか場を繋ぐため戦闘シーンをチマチマと入れて誤魔化そうとしている。単なるミーハー客なら満足するだろが、新たなる『アベンジャーズ』の物語を期待していた客にとってスポンジのように中身のない作品になってしまった。
どうでもいいファンサービスシーンがタラタラと続くのも苦痛。もちろんこの手のヒーロー映画にファンサービスは必要不可欠なのだが、そこばかり見せられても困る。「どうだ、お前らが好きなアイアンマンやソーが楽しそうに雑談してるぞー!! すごいでしょ? ユニークでしょ?」と押し付けられている感が強い。見ているこっちが恥ずかしくなる。
2. 単なる事故と仲間割れ
よくよくストーリーを思いだしてほしい。スタークたちの行動によって事故が発生し、仲間内でケンカになって、最終的にその後始末をするという流れ。ぶっちゃけ、『アベンジャーズ1』のあとに『アベンジャーズ2』を観ずに『アベンジャーズ3』を観ても、ストーリーを把握する上で影響がほとんどない流れとも言える。
ストーリーは壮大ではなく、かけ引きもなく、単なる事故の後始末。それを戦闘で誤魔化して、ミーハーな観客だけ楽しませている。『アベンジャーズ2』は『アベンジャーズ3』への「中継ぎ作品」だから駄作でも良作でもないと言ってるスッタコがいたが、お前はアホかと、バカかと、小一時間問いただしたい。
1800円(+3D料金)まで払って、中継ぎ作品なんか見せられてたまるかこの野郎! どの作品も一定以上の品質で観客を圧倒させる魅力と「良い意味での期待の裏切り」がないと駄作なんだよ!! しかもCMじゃ「最終決戦」とか言ってるし、これ中継ぎなんだろ(笑)!?
3. 観客が『X-MEN』参戦を知らない
版権の問題が複雑だから説明が面倒なので詳しく書かないけど、『アベンジャーズ2』には『X-MEN』からピエトロ(クイックシルバー)とワンダ(スカーレット・ウィッチ)が参戦してるんだけど、ほとんどの観客が『X-MEN』から参戦って事実を知らない。ミュータントという表現は皆無。つまり堂々と『X-MEN』から参戦したことをいえないわけ。大人の事情で。
あのね、こんなに中途半端に出すんだったら、出さないほうがよかったよ。しっかり版権をクリアしてから「このキャラは『X-MEN』のクイックシルバーとウィッチです!!」と大々的にアピールして出すべき。単なる強化人間とか改造人間として出されているから、中途半端で魅力も面白さも半減。
原作や『X-MEN: フューチャー&パスト』のクイックシルバーのカッコ良さを知っているファンからすると、単なるすばしっこい兄ちゃんとふけ顔の魔法少女だよこれじゃ。
4. ヴィジョンが超絶にカッコ悪い
「良い改悪」って表現はおかしいかもしれないけど、かつて『X-MEN』の映画化にあたり、ウルヴァリンの衣装が黄色いタイツからクールなブラックのスーツに変更された。この衣装変更は、忠実性にうるさい『X-MEN』ファンも絶賛したんだよね。これは良い改悪なの。
黄色いタイツのまま実写化したらダサいわけよ。サイクロップスに「黄色いタイツのほうがいいか?」みたいな意地悪を言われるくらいダサいわけ。だから映画で衣装変更して功を奏し、良い改悪だったのよ。
『アベンジャーズ2』のヴィジョンも、そのまま実写化したらダサイわけ。それなのに、ほとんどそのまま実写化しちゃったわけ。そのダサさといったら極めつけ。ダサすぎて映画館でコーラ噴き出したよ。
コミックの世界を現実世界でリアルに描き、どれだけ違和感なく楽しめるか? それがマーベル作品では重要なんだけど、このキャラにはセンスもカッコよさもリアルもない。作品を陳腐にするデザイン。次回作で改良してほしいものだ。
5. ホークアイの意味のなさ
待て待て待て! 「ホークアイの意味のなさ」ってタイトル読んだだけで怒るんじゃねーよ(笑)! よく聞け! よーく劇中の彼のシーンを思い出せ。ホークアイのシーンは、今まで彼が出演した作品の中でいちばん長い尺をとって表現されているが、特に何もしてないことに気がついたか(笑)?
ちょっとしたシーンで弓を引っ張ってるか、もしくは自宅に仲間を呼んでダラダラシーンに使われているだけ。ホークアイはキャラとして魅力的だよ。だけどこの脚本じゃあ、存在する意味がない。むりやりホークアイのために見せ場を用意したようなもの。必ずしもホークアイが必要なシーンは皆無。だったら今作には出すべきじゃなかったなあ。彼じゃなきゃダメって言うシーン0ですわ。
6. ソーの弱体化
『マイティ・ソー』と『マイティ・ソー ダークワールド』を観た人ならわかると思うけど、確実に『アベンジャーズ2』で弱体化してるよね。いや、どんな作品でもシリーズが進むとストーリー上、キャラクターが弱体化するのはあるんだけど、ソーは神だぞ(笑)。しかも『マイティ・ソー』では屈強な敵を相手に大地が変形するほどの威力で戦いまくってただろ(笑)!!
あとなんだよ、唐突に出てきた温泉だか泉だか(笑)。さすがのミーハー日本人もあれには唖然としたはずだぞ!? でもまあ、実は『アベンジャーズ2』で一番重要なシーンが、この泉のシーンといえる。ストーンの存在や意味をソーが知れたわけだからな。だけどあまりにも唐突すぎるので、ホークアイのシーンをバッサリとカットして、泉の前後に肉付けするべきだったな。脚本の失敗だ。
・まとめ
日本人の「事なかれ主義」な根性のせいで、鑑賞後に感想を友だちと話しても「おもしろかったね」「すごかったね」「次回作もありそうだね」くらいで終わり。もっと知的な批評を浴びせあえないの? 一緒に観た人に気を使ってるの? 楽しかったと思ってる人に気を使ってるの?
駄作は駄作なんだよ! それは変わらない現実!! 駄作に対して「楽しかったね」なんて言い合って傷を舐めあうな! ということで、俺は4Dで『アベンジャーズ2』を観てくる。じゃあの。
執筆: オモロキンテ(ビンタキンテ)
もっと詳しく読む: バズプラスニュース Buzz+ https://buzz-plus.com/article/2015/07/09/avengers-age-of-ultron/