【緊急事態時】どこでも寝られる! わずか155グラムの実用的な寝袋アイテム「Escape Lite Bivvy」がスゴイ!
実用性を突き詰めた製品
日本海から太平洋まで、約400キロもの距離を1週間で踏破する「トランスジャパンアルプスレース」。そのランナーは夜の9時くらいまで行動し続けるといいます。で、タープとシュラフとかで3~4時間寝たら、夜中の1~2時くらいからもう行動を開始する。そんな過酷なレースのランナーから評価されている Escape Bivvy という隠れた寝袋の名品があります。
・保温効果もある程度は見込める
ランナーが名品と呼ぶ理由は、仮眠に近い場合に使う寝具として、Escape Bivvy はぴったりだったからです。241グラムと単体使用可能な3レイヤーのシュラフカバーよりも軽くて透湿性が高いし、輻射による保温効果もある程度は見込める。
・3~4時間で体温は低下
彼らは行動し続けて体を追い込み、体が発熱した状態のまま寝てしまいます。疲労してもいるので寝付きもいいのでしょう。しかし3~4時間したら体温は低下します。この冷えをカバーできるほどの保温性能はビビィ単体にはありません。それもあって夜中に目が覚める訳ですが、レースですからもうそこで行動開始なんですよね。このスケジュールあってこその使い方なのです。
・グラウンドシートとしても使いまわせる
だから、一般的なテント泊で、この Escape Bivvy だけで寝ようとするときはこうした前提を踏まえておく必要があります。もしかしたら寒くて目が覚めるかも、という訳です。もちろん夏場はシュラフカバーだけで寝ているよ、という登山者もめずらしくはありませんからあくまで個人判断なわけですが、こうしたことさえ覚悟すればメインの寝具として使えない訳ではない。そしてシュラフカバーとしてはもちろん、グラウンドシートとしても使いまわせる。アクティヴィティによって用途は変わってきますが、それだけ幅広い使い方ができるアイテムです。
・シンプルに要素を削ぎ落とした
で、そんな Escape Bivvy を軽量化したアイテムが登場しました。それがこの Escape Lite Bivvy です。これはまず単純に、サイズを小さくしています。それから頭の部分を削っていて、ジッパーもなくなりました。ただの封筒型にしているんですね。これで155g。これはあらゆるシュラフカバーやビビィに比べ圧倒的に軽い数値です。シンプルに要素を削ぎ落とすだけで、ここまで軽くなるってことをわかりやすい形で提示しているし、そこがとても面白い。ウルトラライトという考え方のお手本のようなアイテムだと思います。今年は2年に一度のトランスジャパンアルプスレースが行われる年でもありますから、注目もたかまるでしょうね。
・サバイバルシートの2.5倍もの厚み
こういうウルトラライト的発想のものがある一方で、逆の発想のものを出してくるのも SOL シリーズの面白いところです。もうひとつの新作 Heavy Duty Emergency Blanket は、同シリーズの従来のサバイバルシートの2.5倍もの厚みがあります。
・これはポリエチレン製
サバイバルシートは、災害や遭難の際の体温保持を前提にしつつ、いろいろな用途に使えるものですが、価格や品質はメーカーによってピンキリです。SOL シリーズのものは決して安くないですが、素材が違う。安価なサバイバルシートにはポリエステル製のものが多いのですが、これはポリエチレン製なのです。
・秀でた耐久性をさらに向上
ポリエステルの方が薄くて軽いですが、その代わりパリパリうるさいし、強度がない。それから、一旦広げると畳みにくかったりもします。一方でポリエチレンはしなやかで畳みやすく、厚みもあり強度がある。この差が緊急用にとどまらず積極的に多用途に使える理由なのです。しかし、そうはいっても薄いことは薄い。何度も使えるといっても慎重にならざるを得ない。あともうちょっと丈夫だったら嬉しいんだけど、という声は少なくなかったはずです。そこで、もともと秀でた耐久性をさらに向上させたのが、Heavy Duty Emergency Blanket というわけです。
・エマージェンシーシェルターキット
ここまで分厚くして強度をさらに高めたのは、本当の意味でマルチに使えるものを目指したからでしょう。特に、グラウンドシートやタープとしてもきちんと使える耐久性を考慮した時、この2.5倍の厚みが出て来たんじゃないかと思います。実際、ヘビーデューティーエマージェンシーブランケットと、これをタープとして使うための張綱やペグをセットにした エマージェンシーシェルターキット も出ているんですよね。
・実用性を突き詰めた製品
軽量化した Escape Lite Bivvy と、ヘヴィー化した Heavy Duty Emergency Blanket は対照的なもののように見えますが、実は求めているところは同じなんじゃないかと思います。それはつまり、どちらもリアルな実用性を突き詰めた製品ということ。多くの人にとっての実用性を意識して落とし込んだ着地点が、一方は軽くする方向で、もう一方は重くする方向だけだったということなんじゃないでしょうか。
・アウトドアでの実用性をかなり意識
エマージェンシーギアは、もちろん緊急時に使うことが前提ですが、積極的にアウトドアギアの中に組み込んでいこうという流れが生まれてきている。そもそも、登山の装備って非常時に生活できるだけのものを揃えているわけじゃないですか。だから、非常時のアイテムを自分たちのアクティヴィティにもっと採り入れていっていい。特に、SOL シリーズはアウトドアでの実用性をかなり意識していると思います。エマージェンシーキットに入れっぱなしにするのではなく、一度は実際に使ってみて欲しいラインナップですね。
執筆: Geared(ギアード)
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