ニュース(バズ)メディアでは炎上後に謝罪してPVを稼ぐのが定番らしい / ビジネスジャーナル捏造事件

闇を感じる一件


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前にネットのバズメディアやニュースメディアを運営している人と飲んだ時に、「最近は炎上させて、すぐ謝るのが流行っている」という話を聞いた。

・炎上&謝罪=「認知度が上がる」「稼げる」
流行っている理由はというと……炎上でPVは増えるし、謝罪文を発表すれば、それでまたPVが稼げる(広告収入も稼げる)。謝罪しても炎上はなかったことにはならないが、認知度はアップするから良いということらしい。

・ほぼ全てが捏造で構成された記事
今回、「ビジネスジャーナル」がNHKの貧困特集番組を捏造だと糾弾する記事を掲載したものの、その記事自体が取材も含めて全て捏造だったという事件が起きた。

・闇を感じる一件
もちろん炎上し、謝罪文が発表されているが、こちらもおそろしくシェアされている。書いた外部ライターは匿名のままディフェンスされており(糾弾した相手は顔まで公開されている)、なんかこう、闇を感じる一件である。

「当該記事は外部の契約記者が執筆したものであり、NHKに取材をして回答を入手したと記述しておりましたが、実際には回答を入手しておらず、当編集部も確認を怠った責任があります。当該記事では、「今回の疑惑に対しNHKに問い合わせのメールをしてみたところ、「NHKとしては、厳正な取材をして、家計が苦しく生活が厳しいという現状であることは間違いないと、担当者から報告を受けています。ですので、ネット等に関しましては、取材の範囲ではありません。但しご意見は担当者に伝えます」との回答を得た」と報じましたが、実際には、弊社はNHKに取材しておらず、回答は架空のものでした」(引用: ビジネスジャーナル)

とりあえず、謝罪文に広告を貼っているようなメディアは、炎上を喜んでいると思って差しつかえないだろう。

もっと詳しく読む: ニュース(バズ)メディアでは炎上後に謝罪してPVを稼ぐのが定番(バズプラス Buzz Plus) https://buzz-plus.com/article/2016/09/03/biz-journal-buzz/

執筆: 鈴木収春(不明研究室) http://fumeiya.net/

鈴木収春

クラウドブックス株式会社代表取締役。自由大学「伝わる文章学」「出版道場」教授。東京作家大学講師。講談社客員編集者を経て、出版エージェントに。ドミニック・ローホー『シンプルリスト』、タニタ&細川モモ『タニタとつくる美人の習慣』、劔樹人『高校生のブルース』、高畑宗明『腸内酵素力で、ボケもがんも寄りつかない』などを担当。