先入観、いや、実体験として、刺身や寿司の「たたき系」メニューは、生臭さから逃れられないものと思っていた。過去の経験ではあるが、そこそこ良い値段の寿司屋や居酒屋で食べた「たたき系」は、どれも生臭さがあったのである。
けっこう高評価の寿司屋で食べても生臭さ
「普通は生臭くねーよ! お前が良い店で食べたことがないからだろう」という声が出てきそうだが、けっこう高評価の寿司屋で食べても、生臭さを感じてしまった。おいしいのはおいしい。
しかし、どんなに良い寿司屋でも、ほのかに残る生臭さ。おいしさが勝るため、おいしいと感じながら食べることはできるのだが、「たたき系は生臭さから逃れられないものなのだな」とも思った。ほんの少し、かなり微量でも、ほのかに残る生臭さが気になる。
……たとえば、靴を履いたとき、米粒程度の小石が入っていたとしたらどうか。歩けるけど、気になって仕方がない。たった1粒の小さな石なのに、気持ちに与えるダメージは大。気になって仕方がない。快適には歩けない。それと似ている。
くら寿司の「さばたたき」は革命的だ
そんな「たたき系は生臭いもの」という考えを覆してくれる寿司に出会った。くら寿司の「さばたたき」である。極めて失礼な思考かもしれないが「おいしいけど生臭さはあるんだろうな」と思いつつ食べた。たたき系はいつも避けているので、数年ぶりに食べた。すると……。
生臭さはどこにいったのか。この生臭さ皆無な「たたき系」は革命的だ。
生臭さを出さずによく頑張った! 感動した!
じつに、おいしい。そして、完璧ともいえるレベルで、生臭くない。どんなに食べても、生臭さが表れない。いったいどうすれば、こんなにも食材の旨味と薫りだけを残した「たたき系」をクリエイトできるのか? 生臭さを出さずによく頑張った! 感動した!
くら寿司の「さばたたき」はいいぞ
ここまで書いても「普通は生臭くねーよ! お前が良い店で食べたことがないからだろう」という声が出てきそうだが、その論は受け入れたい。あくまで筆者はそう感じたということ。しかし、その理論で言うならば、くら寿司は良い店と言うことになるのではないだろうか。くら寿司の「さばたたき」はいいぞ。
ちなみに筆者は、東北生まれで塩分高めが好きなので、やや多めに醤油をかけて食べた。それが実にうまかった。醤油多めの「さばたたき」を推したい。これはいいものだ。