シン・エヴァンゲリオン劇場版:||が2021年3月8日に上映を開始し、すでに1週間が経過しているが、ほとんどのファンが鑑賞したのではないだろうか。まだ観ていない人たちがネタバレを気にしているようだが、何もネタバレを気にしなくていい。ネタバレになるようなポイントはほとんどないからだ。
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・新規描写＋過去作品の焼き直し
「過去作品と同内容のものを美麗な映像で作り直ししただけ」と言っても過言ではない。同じ作品を作り直ししつつ、足りなかった部分を補完した作品、それがシン・エヴァンゲリオン劇場版:||。別の記事で「新規描写＋過去作品の焼き直し」と表現したが、まさにその通り。
「足りなかった部分を補完したなら初めて知る部分もあるから完全新作じゃん」と思うかもしれないが、そんなことはない。新たな要素はディレクターズカット版なら許せるレベルの描写であり、そこからファンが「伏線回収」や「謎の解明」を得ることはできない。
・「伏線と謎の解明」は解決せず
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の根強いファンがシン・エヴァンゲリオン劇場版:||に何を求めていたのか？ ファンが求めていたのは、庵野監督らがブン投げて放置していた「物語の完結」と「伏線と謎の解明」のふたつだ。確かに「物語の完結」はしたが、「伏線と謎の解明」は解決せず。
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・「めでたしめでたし」と「伏線と謎の解明」は別
世間の多くの人たちがシン・エヴァンゲリオン劇場版:||に対して「シンジ君幸せになって良かったね」なんて思っているようだが、正気だろうか。焦点がズれてることに気がついていないのだろうか。「めでたしめでたし」と「伏線と謎の解明」は別だろう。
・正気か？
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qが公開されたとき、シンジの幸せよりも「謎だらけ」「よくわからん」「伏線回収できるの？」という疑問符がファンの頭に浮かんだはずであり、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の公開までずっと「伏線と謎の解明」を求めていたはずだが、公開されてみれば、まったく「伏線と謎の解明」はナシ。それなのにファンの感想は「シンジ君幸せになって良かったね」。正気か？
人類ってそんなにいともたやすく「自分が求めていた疑問の焦点」をズらしちゃうものなのか？ それとも「物語の完結」が公開されたことに感動し、感覚がおかしくなって内容を疑問に思わなかったのか。
どうしてああなったの？ あそこはどこなの？ あれに入るとどうなるの？ どうしてここにいるの？ どうしてこうなったの？ すべて謎。
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・ネタバレがないのがネタバレ
テレビ版にしても、映画版にしても、エヴァンゲリオンシリーズは謎の深さが最大の魅力だ。それは庵野監督のイマジネーションが生み出した素晴らしきエヴァの魅力といえる。だからこそシン・エヴァンゲリオン劇場版:||の公開まで多くのファンを牽引してきたわけだが、今作は、ほぼ「伏線と謎の解明」がないまま終了した。ネタバレしようにも、ネタバレする内容がない。ネタバレがないのがネタバレ。
・説明不足の内容で終わるのも仕方がない
ある意味、伏線を回収せず、謎も解明しないという手法は、一貫してファンに何も説明しないスタンスで駆け抜けたエヴァンゲリオンシリーズの特色ともいえる。そう考えればシン・エヴァンゲリオン劇場版:||が説明不足の内容で終わるのも仕方がないかもしれない。
・薄い作品なのも間違いない
今回のシン・エヴァンゲリオン劇場版:||は完結編ということもあり評価されている。そしてファンに「シンジ君幸せになって良かったね」と思わせて焦点をズらすことに成功して評価されているが、エヴァ全作品の中では極めて平凡な作品であり、「伏線と謎の解明」がない薄い作品なのも間違いない。
ただ、ここまで人をワクワクさせる作品を生み出してくれた庵野監督には心から感謝しつつ敬意を表したい。
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もっと詳しく読む: 【完全ネタバレ映画レビュー】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を絶賛する人はよく考えてほしい / まったく伏線回収も謎解決もしてないことを(バズプラス Buzz Plus) https://buzz-plus.com/article/2021/03/14/neon-genesis-evangelion-spoiler-alert/
執筆: 桃色のガンダルフ
