令和2年(ネ)10022号 音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認控訴事件に関する判決の一部について不服がある音楽教室訴訟原告団233名が、最高裁判所に上告、いわゆる受理申立てをしたことが判明した。
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・著作物使用料が発生する?
この件、シンプルにいえば著作物使用料の支払いに関する問題だ。控訴審判決では「生徒が楽器を演奏できるようになるために行う毎回の練習であれば著作物使用料が発生しない」としながらも「生徒の上達をサポートするための教師のお手本については著作物使用料が発生する」とのこと。
・音楽教室訴訟原告および弁護団
このJASRACが音楽教室に著作物使用料支払うよう求めたことに関して、音楽教室訴訟原告団233名が最高裁判所に上告したのが今回の受理申立ての件となる。以下は2021年4月1日に公開された「音楽教室訴訟原告および弁護団」と「音楽教育を守る会」のコメントである。
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・音楽教室訴訟 最高裁判所に上告(受理申立てを)しました / 転載
音楽教室訴訟原告団233名は、令和3年3月18日に知的財産高等裁判所より言い渡された「令和2年(ネ)10022号 音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認控訴事件」の判決の一部について不服があり、令和3年4月1日、最高裁判所に上告(受理申立て)をしました。先の控訴審判決は、第一審から争っていたレッスンにおける生徒の演奏について音楽教室事業者の主張を認めていただけたものであり、その点大きな意義があると受け止めています。一方で、同じレッスン室における教師の演奏については著作物の使用料を課されるというもので、真にレッスンの実態に即した内容ではなく、納得できるものではないため、上告に至った次第です。控訴審判決によれば、同じ教室内のレッスンにおける演奏であっても、音楽を学ぼうとする生徒が楽器を演奏できるようになるために行う毎回の練習であれば著作物使用料が発生しないものの、同時に生徒の上達をサポートするための教師のお手本については、著作物使用料が発生することになります。こうした判断は、社会一般が捉える音楽教室の実態から乖離したもので違和感があります。現時点おける私たちの主張のポイントは、次の通りです。
1. 著作権法第22条(演奏権)に定める「公衆に直接聞かせることを目的」とした演奏に該当しないこと
控訴審は、教師の演奏については、第一審と同様、音楽教室事業者の管理支配下において行われているとし、演奏の主体は音楽教室事業者であると述べた上で、音楽教室事業者からみれば生徒は「公衆」であると判断しました。しかし、教師は個々の生徒のレベルに合わせて、その時々で、指導のために必要な範囲で演奏するものであり、事業者が管理支配できる性質のものではありません。また、生徒が何年レッスンに通い続けても、不特定の「公衆」のままであるというのは不合理です。
2. 音楽教室事業者は既に著作物使用料を支払っていること
音楽教室事業者は、音楽を扱う事業を行っている者として著作権を十分に尊重しています。楽譜や発表会での著作物の使用について、きちんと申請し、支払いも行っております。今後更にレッスンの教師の演奏に対し毎回使用料を徴収されることになれば、音楽教室事業者、特に個人教室の経営を圧迫し、使用する楽曲の範囲が狭くなるおそれがあります。このような流れは、音楽の利用の減退を招き、音楽文化の衰退に繋がり、最終的には権利者への利益の還元に支障をきたすものとなります。
3. 権利保護・利用促進・演奏家育成のバランスをとること
音楽教室は将来の楽器演奏家や愛好家を育てており、これ自体が社会的使命であり社会教育そのものです。私たち音楽教室事業者は、著作権を大切な権利として尊重する一方で、著作物を演奏できる人材育成を行い、利用しやすい環境を整備し、最終的に権利者への利益を還元するというバランスの取れた好循環が音楽文化の発展につながると考えます。JASRACの主張は、音楽教室の社会的役割に配慮しておらず、音楽文化の発展を標榜していながら、音楽の利用の促進と演奏家育成という音楽の土台、裾野を広げる視点に欠けていないでしょうか。私たちは、音楽を学ぼうとする全ての人々、特に子どもたちが自由に好きな曲をレッスンで練習でき、同時に教師も安心して指導できることを切に願います。
以上
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・JASRACと著作権の問題は過去から続く
JASRACの考えは、音楽業界や音楽を学ぼうとする人たちを委縮させるもの、ということだろうか。JASRACが著作権やその使用料に関して指摘することは今までも多々あり、何度も問題化されてきた。今回の最高裁判所への上告によって、どのような展開となるのか、多くの人たちが流れを見守っている。
・音楽は人を楽しませるものであるべき
今回の出来事に関して、音楽教室に通ってる本人だけでなく、子どもたちを通わせている親世代も注目しているようだ。どのような展開になったとしても、音楽が人を悲しませたり委縮させるものにならないことを切に願う。音楽とそれを取り巻く存在は、人を楽しませるものであるべきだ。
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もっと詳しく読む: ○○記事タイトル○○(バズプラス Buzz Plus) https://buzz-plus.com/article/2021/04/01/jasrac-trial-music-classroom-news/
※冒頭画像はイメージです