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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(Spider-Man: No Way Home)がついに日本で公開された。韓国と英国で2021年12月15日に世界最速公開され、北米にて2021年12月17日に公開、そして日本で2021年12月21日に超大規模な試写会として初公開された。日本での本公開は2022年1月7日で、すでに公開がスタートしている。
・インターネット上はネタバレ祭り状態
筆者が滞在している北米ではとっくの昔に「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が公開され、インターネット上はネタバレ祭り状態。そして日本でも2021年12月21日に大規模な試写会が開催され、いま現在は全国公開がスタートしたということで、忖度ナシの批評をしたいと思う。
・多分にネタバレが含まれているのでご注意を
ここから先は多分にネタバレが含まれているので、ネタバレが嫌な人、ネタバレが許せない人、ネタバレを絶対に避けたい人、ネタバレ反対派の人、映画未鑑賞の人はご注意願いたい。絶対に読まないで欲しい。
・どのシーンも密度が濃い
作品の評価としては、最悪すぎた二次創作レベルの「マトリックス レザレクションズ」と比べて天と地の差。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」も「マトリックス レザレクションズ」も148分と2時間以上の長時間作品だが、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が素晴らしい点は、スッカスカの「マトリックス レザレクションズ」と比べ、どのシーンも密度が濃い点である。
・本来なら間延びするシーンを間延びと感じさせない
従来の映画であれば3秒くらいで済ませるシーンを5秒、6秒と長く間を取っているシーンが多く、本来ならば「ダラダラしてて退屈」で眠くなるはずなのだが、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」はダラダラと感じないし、退屈にならない。それは作品自体がもつエネルギーが濃いからである。観客に「その場にいたい」「その話をもっと知りたい」と思わせる魅力があるのだ。
・グリーンゴブリンやヴェノムが召喚
特に物語が濃い。展開としては、ドクターストレンジの魔術の失敗により、サム・ライミ版「スパイダーマン」と「アメイジングスパイダーマン」のヴィラン(悪役)として知られているグリーンゴブリン(ノーマン・オズボーン)、ドクター・オクトパス、エレクトロ、サンドマン、リザード、そしてヴェノムがマーベルシネマティックユニバース(MCU)の世界に召喚されてしまうところから始まる。
・スパイダーマンらとともにもとのユニバースに戻る
同時にサム・ライミ版「スパイダーマン」のスパイダーマン(トビー・マグワイア)と、「アメイジングスパイダーマン」のスパイダーマン(アンドリュー・ガーフィールド)も召喚してしまい、MCU世界のスパイダーマン(トム・ホランド)と共闘してヴィランたちと戦い、「ヴィランになってしまった原因を薬で取り除いて普通の人に戻す」作業をする。最終的にヴェノム以外は普通の人に戻ることに成功。スパイダーマンらと共に元のユニバースに戻ることができるという展開だ。
<展開>
ミステリオにピーターが犯人として陥れられる
↓
ピーターが犯人扱いされる
↓
ピーター「僕がスパイダーマンだという記憶を消して」
↓
ストレンジ「失敗しちった」「他世界の悪人呼び寄せちゃった」
↓
ストレンジ「元の世界に戻すとみんな命を落とすよ」
↓
ピーター「かわいそうだから助けたい」
↓
他ユニバースのピーターと協力して悪人を善人に戻す
↓
エレクトロがマイルズ・モラレスの存在を示唆(伏線)
↓
ストレンジ「もっと悪人がやってきそう!!」
↓
ストレンジ「魔術で世間からピーターの記憶消すと悪人こなくなるよ」
↓
みんながピーターのことを忘れる
↓
悪人がみんな元のユニバースに戻る
↓
ヴェノムの欠片だけMCUに残る
↓
他ユニバースの悪のストレンジが登場か!?
↓
ストレンジ「ワンダ助けて!」
・メイおばさんの最期の言葉
特出して素晴らしい展開としては、メイおばさんの最期だ。サム・ライミ版「スパイダーマン」と「アメイジングスパイダーマン」ではベンおじさんが亡くなる前に話していた名言を、メイおばさんがピーターに話して他界するシーンだ。MCUの「スパイダーマン」シリーズにはベンおじさんは登場しないが、ピーターに大切なメッセージを残し、これからの勇気と力に繋がる点は同じだ。まさにデジャヴなシーンと言えるし、ファンは涙を流すだろう。
・全MCU作品のなかでもトップクラスの名シーン
また、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でもっとも感動するシーンが、アンドリュー・ガーフィールド演じるスパイダーマンが落下するMCUのMJの命を助けたシーンだろう。「アメイジングスパイダーマン」ではMJを助けられなかったが、MCUのユニバースで助けることができたのだ。この演出に鳥肌が立った人もいるのではないだろうか。演出とストーリー構成という点で、全MCU作品のなかでもトップクラスの名シーンと言える。
・作品として気になる点もある
手放しで絶賛したいところだが、そうもいかない。作品として気になる点もいくつかあった。ヴィランとのトークややりとりが、とってつけた感があり、やや深みにかけるのである。148分とはいえ、グリーンゴブリン、ドクター・オクトパス、エレクトロ、サンドマン、リザード、ヴェノムが登場する今作、ひとりひとりを深く掘り下げるのは難しいとはいえ、もう少し、自然な流れでトークが進めばさらによかったと思われる。
<確認できたヴィラン>
グリーンゴブリン
ドクター・オクトパス
エレクトロ
サンドマン
リザード
ヴェノム
ライノ(先っちょだけ)
・MJとは結婚していないのか
また、トビー・マグワイアがオッサン化していた点が気になった。オッサン化が悪いというのではなく、どの時点でのトビー・マグワイア演じるスパイダーマンがMCUの世界に召喚されたのか、特に説明がなかった点が気になったのだ。MJとは結婚していないようだが……。
トビーがオッサン化していたということは、すでにグリーンゴブリンが命を落とした世界からやってきているはず。しかし、MCUの世界でグリーンゴブリンは命を落とさず、そのまま元のユニバースに戻っていった。これはどういう世界設定になるのだろうか。
つまり「グリーンゴブリンが命を落とすユニバース」の未来からトビーが、過去からグリーンゴブリンが召喚。しかしグリーンゴブリンはMCU世界でまっとうな人間に戻ったため、「グリーンゴブリンが生きているユニバース」が誕生し、そのユニバースに戻ったということだろうか。それとも「グリーンゴブリンが命を落とすユニバース」の過去に戻ったのだろうか。それならば「グリーンゴブリンが命を落とすユニバース」は存在しないことになる?
すでにTVAが崩壊し、カーンが命を落としたため、変異体が無数に誕生する可能性を考えれば、グリーンゴブリンは変異体として枝分かれした新たなユニバースに戻ったと考えるのが妥当かもしれない。
・むしろ新たなホームがいくつも誕生しそうな展開
とはいえ、名作であることに違いはない。他のユニバースからライノが召喚されそうになっていたり、ヴェノムの一部がMCUの世界に残されたままになったり、他ユニバースの悪ドクターストレンジが登場したり、ワンダが登場したりと、さまざまな伏線ともいえる展開があった「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」。
確かにタイトルは「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」だが、むしろ新たなホームがいくつも誕生しそうな展開に胸を躍らせた人は多いのではないだろうか。
<今後の展開情報 / 未確定>
1. ワンダの力で新たなユニバースが開かれる
2. XMEN(エックスメン)がMCUに合流
3. ドクターストレンジとプロフェッサーXが対面
4.「ワンダヴィジョン」のニセトロとは違う本物のクイックシルバーが登場
5. ヴェノムが何らかの形で登場
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もっと詳しく読む: 【映画批評】スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム最速レビュー(バズプラス Buzz Plus) https://buzz-plus.com/article/2021/12/21/spider-man-no-way-home-review/
執筆: Kang the Conqueror